上司が嫌いな人のための現実的な転職ステップ

社畜ライフハック

職場における悩みの大半は、実は仕事そのものよりも人間関係です。

特に、直属の上司との関係が悪い場合や、上司のパワハラ・理不尽な振る舞いなどが日常的に続くと、多くの人は大きなストレスを感じます。「今すぐこの職場から離れたい」「一刻も早く転職したい」と考えるのは自然なことですね。

しかし、現実的には転職は簡単に決断できるものではなく、将来の不安や収入面、家族・生活のことなど多くの要素を考慮する必要があります。

そこで今回は、「嫌いな上司がいる場合に実行できる現実的な転職までのステップ」について、現実的な観点から具体的に整理します。


具体的な転職ステップの選び方

転職までのステップは大きく分けて以下の2つに分類されます。どちらを選択すべきかは、現在の仕事の内容や自分の置かれた状況によって異なります。

・スキルを盗み、実績を積み重ね、資格を取得する
・最低限の業務をこなし、陰で新しいスキルを身につける

一つずつ解説していきます。


スキルを盗み、実績を積み重ね、資格を取得する方法

この方法は、現職の業務そのものには将来性があり、今後のキャリアにも有益な経験が積める場合に適しています。業界自体の成長性や今の仕事の専門性が高く、身につけたスキルや実績が次の転職先でも活かせそうな場合は、上司との関係が悪くても数ヶ月~1年程度だけ「今はスキルや実績を得るための修行期間」と割り切って業務に取り組みましょう。

具体的には

  • 新しいプロジェクトや重要な業務に積極的に関わる
  • リーダー経験を積む
  • 難易度の高い資格取得を目指す

など、次の職場で「これだけの実績があります」と言える材料を集めてください。

この方法のメリットは、転職活動時に具体的なエピソードや成果をアピールできる点にあります。加えて、仕事に集中することで上司と必要最低限の関わりだけに留められ、精神的な負担を相対的に軽減できる場合もあります。

一方で、この期間は通常より業務量が増えるためストレスも増大します。「今は将来のために耐える期間」と割り切れる方に向いた選択肢です。自身の心身の限界を冷静に見極め、体調を大きく崩す前に転職準備を進めてください。


最低限の業務をこなし、陰で新しいスキルを身につける方法

こちらは、「現職自体が自分にとってやりがいがない」「業界の将来性が薄い」「毎日が単調でやる気が出ない」といった場合に有効な手段です。まずは職場での最低限の業務のみを行い、余った時間や休日を使って自分が将来的に就きたい仕事や業界の勉強を進めてください。

たとえばIT業界を目指すならプログラミング学習、営業職を目指すならコミュニケーションやマーケティングのスキル習得、メーカー希望なら自作プロジェクトに取り組むなど、具体的なアウトプットを作ることが重要です。

資格取得も有効ですが、特に未経験業界へ挑戦する場合は「自分で作品や成果物を作る」ことが、面接時にアピール材料としてより強く評価されます。

また、近年ではオンライン講座や無料の学習コンテンツが豊富にあるため、仕事以外の時間を効率的に使うことも可能です。会社によっては資格取得のための補助制度や社内勉強会もあるため、利用できるものは積極的に活用しましょう。


どちらの方法も選択できない場合

上記の2つの方法がどちらも取れない、あるいは精神的・身体的に限界が来ていて「もう何も考えられない」という場合、今すぐ退職か転職をしましょう。

異動希望を出すこともひとつの方法ですが、中小企業や組織構造が硬直している会社では、部署異動が制度上存在しない場合や、異動しても根本的な問題が解決しないケースもあります。

多くの場合、上司との問題が顕在化する会社は「上司個人」の問題にとどまらず、会社全体の体質や評価制度そのものに課題がある場合が多いです。上司に問題があるにもかかわらず、その人が昇進・昇格できる仕組みや、パワハラ・不正がまかり通る風土に原因があるケースが多く、単に部署を変わるだけでは根本的な解決にならないことがほとんどです。

したがって、精神的負担が強く日常生活や健康に支障が出ている場合は、まずは自分の健康と生活を最優先し、迅速に退職すべきです。


転職時に給料は下がるのか

とはいえ、会社を辞めたら収入がなくなります。転職も「給料が下がる」というイメージがありますよね。しかし、実は近年の統計データではそうとは限りません。たとえば厚生労働省の「雇用動向調査(2023年)」によれば、転職者の賃金変動は以下のようになっています。

  • 増加:37.6%
  • 変わらない:27.7%
  • 減少:34.7%

つまり、約65%の人が「給料が落ちない(増加または同じ)」という結果になっています。

特に20代~30代でスキルや専門性が高い人材は、転職によって収入が増加するケースも多く見られます。一方で、スキルや資格が十分でない場合や未経験職種への転職では、年収が一時的に下がることもあるため、「スキル・実績をしっかり積む」「転職先の業界・企業研究を十分行う」ことが重要です。


退職・転職活動時の注意点

準備ができたら、いよいよ転職に向けて具体的な行動を起こす段階です。理想はしっかりと退職届を渡すことですが、中には辞めづらい場合や、会社から圧力をかけられる場合もあるでしょう。

法律上は「2週間前まで」に申し出れば退職可能ですが、会社によってはそういった法的を無視し2週間前の申し入れを拒否してきます。

もちろん、会社と労働者に良好な関係が築かれていれば、お互い合意のもと数ヶ月前から退職の準備を進めるのが理想ですが、今すぐ転職したいあなたと会社の間にそのような関係はありません。そういった関係構築を怠り、あなたの不満をキャッチできなかった会社側にも責任があるため、転職サービスの利用は正当性があると私は考えています。

あとは利用料金と相談し、現実的な対応策を決めてください。


無事転職できることを祈っています。ありがとうございました。

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